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「好き」を科学する、経済データサイエンス<前編>
近年、世界を席巻するデータサイエンス。膨大なデータを分析し、新たな価値を生み出すことでビジネスから社会問題の解決まで、あらゆる分野で革新的な変化をもたらしています。文部科学省の数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定を受けた本学では、経済学とデータサイエンスを融合させた学問を提供しています。今回は経済学部の津谷篤講師に、その魅力について語っていただきました。
――津谷先生、まず初めに、データサイエンスとはどのような学問なのでしょうか?
津谷:データサイエンスとは、大量のデータから隠された有用な知見を見つけ出す学問です。応用としては未来を予測したり、物事を分類したりすることがあります。例えばオンラインショッピングサイトでは、過去の購入履歴に基づいて、おすすめの商品が表示されます。このようなパーソナライズされたサービスを利用して、顧客満足度を高めたり売り上げを向上させたりするようなこともデータサイエンスの仕事です。
――経済学とデータサイエンスを組み合わせることで、どのようなことが可能になるのでしょうか?
津谷:経済学は、私たちの暮らしや社会全体のお金の流れを調べる学問です。過去のヒット曲のデータやリスナーの反応などを分析することで、ヒット曲が生まれる可能性の高い要素を特定し、次の音楽制作に生かすことができるでしょう。また、ドラマの視聴率や視聴者の属性などを分析することで、どのシーンで視聴者が最も集中しているか、あるいは逆に飽きてしまうかなどを把握できます。これにより、より多くの視聴者を惹きつけるシナリオ作りが可能になるかもしれません。 さらに、漫画「チェンソーマン※1」や「SLAM DUNK※2」の聖地巡礼のように秋田コンテンツを分析することで、地方創生として新たな観光客誘致に繋げることができます。
――高校までタブレット端末しか触ったことがないという学生もいるかと思いますが、パソコンや数学が苦手な人でもデータサイエンスを学ぶことができますか
数学やパソコン操作が苦手でも、データサイエンスを学ぶことは可能です。計算はコンピュータ上で動くプログラムが行ってくれます。本学では1年次でコンピュータの基本操作を学んだ上で、2年次からはPythonプログラミングを始めています。昔はプログラミングといえば理系学生の専売特許でしたが、Pythonの登場により文系学生でも気軽にコードを書くことができるようになりました。
※1作者である藤本タツキ氏の出身地である秋田県にかほ市が漫画の作中に登場する
※2映画「THE FIRST SLAM DUNK」に登場する「山王工高」のモデルになった高校は能代市にあり、山王工高の選手が駆け上がった石段がある神社の舞台は由利本荘市の森子大物忌神社と言われる
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