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地域課題に学生が挑む!
経済学部成果報告会

2月20日、秋田市のアトリオンで開催された経済学部成果報告会では、4つのゼミの学生がデータ分析に基づき、秋田県の定住促進や地域活性化に繋がる具体的な提言を行いました。

本発表会は「即戦力人材育成支援事業」の一環として、学生たちが秋田県の地域課題に主体的に取り組み、その成果を発表する場として設けられたものです。4つのゼミは、以下のテーマについて発表しました。

人口流出をどう防ぐか?
桧山優希(会計ゼミナール)

『秋田県における県外人口流出抑制諸政策に関する考察と提言』 と題し、人口流出の現状分析と具体的な対策を提案。人口減少の主な原因である、自然減(出生数より死亡数が多いこと)と社会減(県外へ出ていく人が多いこと)の現状、年齢別の人口構成や、物価と家計支出のデータを細かく分析しました。さらに、若い人が地元で魅力的な仕事を見つけ、安心して生活できる環境を作ることが、人口流出を防ぐために最も重要であることを結論づけました。教員は「データの比較を活用した分析が秀逸だった」と評価しました。

高校生の仕事に対する意識調査についてプレゼンする桧山さん

バレエの力で地域に笑顔を
小野すみれ(行動科学ゼミナール)

『秋田からバレエ文化の発展を』 というタイトルで、バレエ文化振興のための課題と改善策を発表しました。地域住民や行政との連携の必要性を訴え、発表後の質疑応答では、「幼少期からバレエ鑑賞の機会を増やすべきではないか」「幼稚園などでバレエを取り入れてはどうか」といった議論が交わされました。

地域におけるバレエの普及について、熱意を込めて訴える小野さん

秋田にインバウンド需要を呼び込む
 太田諒、菊池来実、斎藤洸聖、佐藤杏、三上翔、矢野陸人(人間科学ゼミナール)

『インバウンド需要を秋田にもたらすには』と題し、秋田市を観光拠点とする戦略や多言語対応の重要性を発表。矢野陸人さんは「データは集まるが、文章にまとめるのが難しかった。みんなのものを一つにまとめるのは労力がいるが、達成感もあった」と研究の感想を述べ、菊池来実さんは「外国人観光客が求めるサービスについて調査したが、 日本に来た外国人のアンケートデータが少ないのでデータ収集に苦労した」 と振り返りました。

他県のインバウンド戦略成功例として岐阜県の事例を紹介する菊池さん

AIと地域雇用の未来
 石川眞玖斗さん、太田海斗さん、畠山和也さん、山崎直起さん(ミクロデータ分析・データサイエンスゼミナール)

『AIが秋田県の雇用に与える影響』 というテーマで、AI技術の発展が県内の雇用にどのような影響を及ぼすのかを定量的に評価するため、*AIOEを活用し分析しました。その結果、秋田県は AIの普及が進むことで雇用環境がプラスに働く可能性があることが明らかになりました。教員からは「どの職業が将来AIと共存できるのか、学生たち自身が考えるきっかけになった」という見解が示されました。

※AIOE:AI Occupational Exposure(AI職務曝露)の略で、AIが仕事に与える影響を数値で示す指標のこと

「AIを活用したアヴァンギャルドなデザインの曲げわっぱなどで、伝統工芸品の販促を後押ししたい」と語る山崎さん

主体的な学びの価値を再認識

発表会後、教員からは 「大学で何を学んだかが、社会に出てからの武器になる」 と学生たちの研究姿勢を評価するコメントがありました。また、「もっと自分の意見を積極的に発信し、会場を沸かせてほしい」と、今後の成長にも期待を寄せました。

今回のゼミ発表会を通じて、学生たちは 「自分たちが秋田の未来をつくる」 という意識を強く持つことができました。ノースアジア大学経済学部はこれからも地域社会と連携し、学生たちの実践的な学びを支援していきます。