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【総合政策学部】4年間の学びの成果が実を結ぶ
1月10日、法学部(現総合政策学部)の卒業研究発表会が行われ、4年生12名が地域経済、文化、社会問題など多岐にわたるテーマで研究成果を発表しました。中でも秋田県内の少子高齢化問題や地域経済の活性化など、地域の課題解決に向けた研究が注目を集めました。
【代表的な5つの発表】
『今後、秋田市の中心市街地活性化において重点的に取り組むべきこととは
-富山市の中心市街地活性化基本計画と比較して-』
加藤遥さん(法学部国際学科4年 政治学・行政学ゼミ)
秋田市の中心市街地活性化に向け、富山市のコンパクトシティ化をモデルケースとして比較研究を行いました。両市の計画を詳細に分析し、目標設定や施策の実行状況を比較することで、秋田市の現状と課題を浮き彫りにしました。例えば、歩行者や自転車の通行量、市民アンケート調査の結果など具体的なデータに基づき、秋田市が取り組むべき課題を明確にしました。
『刈和野の大綱引き行事の比較的考察について』
後藤千穂さん(法学部国際学科4年 文化研究ゼミ)
国指定重要無形民俗文化財である大仙市刈和野の大綱引きと、福井県敦賀市の「大黒綱引き」、鹿児島県の「川内大綱引き」など全国各地の綱引き行事を比較研究しました。地域住民の生活や歴史との関わり、行事に込められた意味合いなどを詳細に分析し、綱引きが地域社会に果たす役割について考察しました。
『ナマハゲ-来訪神:仮面・仮装の神々-』
佐藤晃雅さん(法学部国際学科4年 表現文化ゼミ)
秋田県男鹿市の伝統行事「ナマハゲ」を題材に、観光客増加に伴う伝統文化の変化という課題に着目し、その持続可能な発展について研究しました。ユネスコ無形文化遺産に登録されたナマハゲですが、観光化による商業化や、伝統的な意味合いが薄れることへの懸念が高まっています。佐藤さんは長崎県小値賀島の観光と伝統の両立の取り組みを参考に、ナマハゲの伝統を継承しつつ地域経済の活性化に繋がる観光モデルを提案しました。
『秋田県の課題解決に向けた金融・財政アプローチ』
佐藤誠剛さん(法学部国際学科4年 安全保障ゼミ)
秋田県の経済規模縮小という深刻な問題に対し、金融・財政面からのアプローチを多角的に分析。中小企業支援、エネルギー資源活用、人材定着など具体的な施策について解説しました。特に、官民連携による地域密着型金融商品の開発や、複数世代にわたる長期的な視点を持つことの重要性を強調し、秋田県の課題解決に向けた新たな視点を提示しました。
『秋田プライウッド株式会社の研究』
松井迅さん (法学部法律学科4年 ビジネスゼミ)
秋田プライウッドのSDGsへの取り組みを深掘りし、国産木材の活用による気候変動対策に注目しました。同社は合板の中に炭素を固定・貯蔵することで地球温暖化を抑制できる点に着目し、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」と目標15「陸の豊かさも守ろう」の実現に向けて積極的に取り組んでいます。松井さんは同社のこうした取り組みの重要性を認識し、自身も持続可能な社会づくりに貢献したいと考えています。
今回の卒業研究発表会では、学生たちの地域社会の課題解決に向けた具体的な提案など、高い探究心と地域社会への貢献意欲の高さが際立ちました。教員からは「学生たちの研究に対する情熱に感心するとともに、専門的な知識を分かりやすく伝えるプレゼンテーション能力も格段に向上した」との声があがり、4年間の学びの成果が実を結んだ発表会となりました。