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感性データサイエンスゼミが京都で研究成果を発表!
アニメ聖地巡礼とゲーミフィケーションを探る
2025年3月5日から7日にかけて、京都工芸繊維大学で開催された日本感性工学会第20回春季大会に本学の感性データサイエンスゼミナールの学生4名が参加しました。
研究発表のテーマは、「アニメの聖地巡礼と観光の関係性」、および「ゲームの仕組みを応用したモチベーション向上の可能性」についてです。データサイエンスの知識がなくてもアニメやゲームが好きな人なら思わず興味を持ってしまうような内容に多くの参加者が耳を傾けました。
アニメの聖地巡礼と観光活性化
~観光地の新たな可能性をデータで可視化~
アニメファンの間で人気なのが「聖地巡礼」です。
これは作品の舞台となった場所を訪れ、その世界観を実際に体験する観光行動です。しかし、この聖地巡礼が観光地にどのような影響を与えているのかは、明確なデータとして示されたことがほとんどありません。
そこで感性データサイエンスゼミグループは、次のように3色に色分けした「観光ヒートマップ」を作成しました。
■自然観光スポット(黄色)
■歴史観光地(青)
■アニメの聖地(ピンク)
このヒートマップを見ると、東京都・愛知県・京都府・大阪府などが黒くなり、これらの地域には自然・歴史・アニメ文化が重なっていることが判明しました。
また、緑色に塗られた「自然と歴史は豊かだがアニメの舞台になっていない地域」には、観光資源の新たな活用の可能性があることがわかりました。
ゲームが人を動かす!?「ゲーミフィケーション」の可能性
もう一つの研究テーマは、「なぜ人はゲームに夢中になるのか?」という疑問をデータ分析を通じて探るものでした。
「実は、ゲームにハマる理由は、学習や仕事のモチベーションにも応用できるのです。」と学生は説明します。
研究では、ゲームの中でよく見られるゲーミフィケーション(ゲームの仕組みを活用して行動を促す技術)について、以下のポイントを分析しました。
1. 「実績解除」や「報酬システム」はやる気を引き出す
例:「100回学習すると特別なバッジがもらえる」などの仕組み。
2. SNSとの連携が継続を促す
例:運動アプリが歩数ランキングを共有することで、やる気が出る。
3. 学習や仕事にも応用可能なシステム
例:大学の授業をレベル制にしたり、就活をRPG(ロールプレイングゲーム)のように進める仕組みを作ると、楽しみながら進められる。
この発表では、単なるゲームの話ではなく、学習や仕事のモチベーション向上にゲーミフィケーションを活かすアイデアが紹介されました。
実際にアニメの聖地巡礼を体験!
研究発表に伴い、学生たちは実際に京都のアニメ聖地巡礼を体験し、現地の観光との関係を調査しました。
📍 宇治市:「響け!ユーフォニアム」の舞台
JR宇治駅の壺ポスト(アニメ第1期8話に登場) 宇治橋(作品の象徴的なシーンに登場)
📍 東映太秦映画村:「エヴァンゲリオン」等身大(15m)
「このサイズで上半身だけ!?」「写真に収まりきらない!」と大興奮。
📍 伏見稲荷大社:「五等分の花嫁ff」第11話の舞台
千本鳥居を実際に歩き、アニメとのシンクロを実感。
📍京都国際マンガミュージアム
世界中の漫画を楽しめる施設で、アニメと観光の結びつきを実感。
学生たちからは「データだけでは見えない、実際の体験から学ぶことが多かった。」「アニメの聖地巡礼が観光を活性化させる可能性を、肌で感じることができた。」といった感想があがりました。
「好き」を科学する面白さ
好きなことをデータで深掘りするというアプローチが特徴のデータサイエンス。「好きなアニメやゲームが観光や学習にどう影響を与えるのか?」そんな素朴な疑問をデータで探ることで新たな発見が生まれます。今後のデータサイエンスゼミのユニークな研究活動に期待が高まります。