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現役外務省官僚が語る“外交のリアル”
国際関係論特別講義がスタート

4月19日(土)、国際社会の最前線で活躍する外務省の現役官僚・楢岡善丈客員教授による月1回の特別講義「国際関係論特別講義」が開講しました。
本講座は月に一度行われる集中型の授業で、世界と向き合う外交の舞台裏を現役の外交官から直接学ぶことができる貴重な機会となっています。

初回となるこの日は外務省の業務内容紹介を中心に、万博での取り組みや海外渡航支援サービス「たびレジ」などが紹介されました。さらに、現代社会が抱える重要課題である国連のSDGs(持続可能な開発目標)についても解説され、学生たちは国際情勢への理解を深めました。

講義の後半では、楢岡客員教授の同期である井ノ上正盛氏(※注1)の活動を紹介する映像が上映されました。命の危険と隣り合わせの状況の中で職務を全うした外交官の強い信念に学生たちは大きな衝撃を受け、「正義を貫く姿に感銘を受けました」「自分には到底真似できません」といった声が上がりました。命を賭して世界平和に貢献した姿は、受講生の心に深く刻まれたようです。

受講した経済学部3年の平川玲さんは、「これまで省庁の仕事について知る機会がなかったので、今日の講義は非常に新鮮でした」と感想を述べました。
また、将来公務員を目指す法学部法律学科3年の西根さくらさんは、「より専門的な知識を深めたいと思い受講しました。今後の講義がとても楽しみです」と、今後への意欲と期待を語りました。

熱心な学生たちの姿勢に対し、楢岡善丈客員教授は「土曜日にも関わらず、これほど意欲の高い学生たちと出会えたことを大変うれしく思います。少人数の利点を生かし、一人ひとりとじっくり対話を重ねながら、最終的には自分の言葉で社会に発信する力を養ってほしいです」と、今後の講義への期待を語りました。

“外交のリアル”に触れる本講座は、学生たちが広い視野を持ち、自身の将来や世界との関わり方を真剣に考えるきっかけとなることでしょう。

※注1:井ノ上正盛(いのうえ・まさもり)氏
2004年、イラク南部サマーワにて人道復興支援活動に従事する中、現地を移動中に武装グループの襲撃を受け、同僚の奥克彦大使とともに殉職されました。外務省内でも特に困難な任務を担い、強い使命感と揺るぎない正義感を持って国際貢献に尽力した外交官として知られています。