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【総合政策学部】ゼミナール発表会で、学生たちの研究成果が輝く

12月25日、ゼミナール発表会が開催され、2・3年生の32名が一年間の研究成果を発表。安全保障、民法、心理学、さらには文化・歴史など多岐にわたるテーマが取り上げられました。

■注目を集めた4つの発表

ロシアによる軍事侵攻とウクライナ情勢について』(安全保障論ゼミ2年 鈴木颯太)

ロシアのウクライナ侵攻が世界に与える影響について、歴史的背景や国際法の観点から考察。ソ連崩壊後の両国の関係とNATOの拡大が今回の侵攻の背景にあると指摘し、これによりエネルギー価格の高騰や食料危機の発生が起きている現状について説明しました。また、4年生との質疑応答では、日本の支援のあり方や国際社会の役割など、高度な議論を展開しました。

鈴木さんは「一般市民の安全が最優先であり、国際社会が協力して平和的な解決を目指すべき」と主張

4年生は「日本はウクライナに支援を続けるべきか」「どのような形で戦争を終わらせるのがいいと思うか」などと質問する

選択的夫婦別姓制度について』(憲法ゼミ2年 斎藤優里、菅原美咲、三浦千夏、坂元怜生)

最高裁判所の判例を踏まえながら、選択的夫婦別姓制度の是非について賛成と反対の両方の意見を紹介。個人の尊厳や家族のあり方など、多角的な視点から論じました。さらに、子どもの氏に関する懸念については、家族が同姓であるという固定観念そのものが問題であることも指摘しました。

現行法は夫婦が同姓を名乗ることを定めているが、発表者は「選択肢を増やすことに意味がある」と意見を述べる

登記と第三者』 (民法ゼミ3年 庄司伊吹)

不動産登記は所有者を明確にし、トラブルを防ぐための重要な制度です。登記することで第三者に対抗し、自分の権利を守ることができます。しかし登記を行わないと、不動産の売買など所有者が変わるような取引が発生した場合に思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。本発表では不動産登記の重要性と、登記を行わないことによるリスクについて具体的な判例を交えて解説しました。

ゼミナールで継続的研究している登記について、トラブル事例を発表

ロココ様式の伝播とヴィースの巡礼教会』(表現文化ゼミ3年 田畑朱野)

ドイツ・ロココ様式の最高傑作として知られるヴィースの巡礼教会。本発表ではヴィースの教会がなぜロココ様式で建てられたのか、そしてそれがどのように地域社会と結びついているのかを、歴史的背景や建築様式、観光地としての側面から考察しました。フランスで生まれたロココ様式が、カトリック優勢のドイツ南部でどのように発展したのかに焦点を当て、ヴィースの教会がその代表的な例であることを示しました。

ヴィースという地域が、歴史的遺産と自然環境を活かした観光地として成功している事例を紹介する

今回の発表会では学生たちの高い探究心と、社会問題に対して積極的に考えようとする姿勢が際立ちました。中でも4年生との質疑応答は、後輩たちにとって新たな発見の場となったようです。学生たちはこの発表会を通じて専門的な知識を深めるとともに、プレゼンテーション能力も大きく向上させることができました。