法律の知識を生かして顧客の安心を支えたい
法学部法律学科 菊池杏花さん(秋田県立新屋高等学校出身)
全国共済農業協同組合連合会秋田県本部(JA共済連秋田)
心を揺さぶられた憲法との出会い
私が法律に関心を抱いたきっかけは、中学時代の社会科の先生による熱意あふれる授業でした。法律の中でも、日本国憲法の奥深さに魅了されたのです。憲法はすべての法の基本であり、社会全体を包み込むような存在です。その偉大さに心を揺さぶられ、社会の仕組みを学びたいと思うようになりました。
しかし中学3年の冬、父が工場での事故で突然他界するという、想像もしていなかった出来事が私を襲いました。その喪失はあまりにも突然で、理解する間もなく日常が一変しました。進路はおろか、未来について考える余裕すらなく、ただただ呆然とする日々でした。そんな時、社会科の先生が自分の気持ちに寄り添ってくれたことが大きな支えとなり、高校進学を果たすことができました。
法律を通して「幸福」について考える
日本国憲法の中で最も心惹かれたのは、第13条の幸福追求権です。「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政上で、最大の尊重を必要とする」という規定は、私にとって心の支えとなりました。
——人は誰でも幸せを追求する権利があり、その権利は尊重されなければならない。
この条文を深く理解したいと考え、法律を専攻するためにノースアジア大学へ進学しました。そして、大学では法律が人々の幸福にどのように貢献するのかを考察し、憲法や民法などの核心に触れました。なかでも民法は生活に直結する法律であり、その知識が日常に生きることを実感しました。とりわけ相続関係に触れたときには、父を亡くした経緯もあり、この法律が持つ深い意味を実感しました。
3年次から所属しているゼミでは、労働基準法を学びました。労働基準法は社会人になったら必ず関わる法律であり、人々の生活に密接に関わるという点で民法との共通点を感じています。社会に出て役立つと思ったら俄然面白くなりました。

3年次から所属しているゼミでは労働基準法に対する興味を深める。
インターンシップで深めたJA共済への想い
父の死後、JA共済のこども共済に加入していたおかげで、学資金の心配をすることなく大学生活を送ることができました。お金が父の代わりにはなりませんが、経済的な支えがあったからこそ前向きに進むことができたのは事実です。JA共済は私の人生を支えてくれた組織といっても過言ではありません。そこで、JA共済の事業説明会に参加するとともにインターンシップに3回参加し、その度に地域貢献の理念に強く共感したことから、ここで働きたいという気持ちが確信へと変わりました。
採用試験に向けては、ゼミの先生からの手厚い指導もあって、内定をいただくことができました。
バイクがくれる、自由な時間
私が大切にしてきたリフレッシュの時間、それはバイクで風を切って走ることです。ヘルメット越しに感じる風の音、目の前に広がる景色、身体全体に響くエンジンの鼓動から自由を感じることができます。風を受けて走ると、日々の悩みや不安も吹き飛んでいくような感覚になります。この瞬間が自分にとって最高の息抜きになり、就職活動を乗り切ることができました。

大学2年生の時にバイクの大型免許を取得。泊りがけで青森まで走ったこともある。
顧客の心に寄り添う社会人へ
私は間もなく社会人になります。顧客対応の場では、まず「人の話を丁寧に聞く」ことを大切にしたいと思います。父の突然の死を通して人々が予期せぬ困難に直面し、不安や悲しみを抱えることを実感しました。だからこそ、相手の言葉に耳を傾け、その人に必要な支援を提供できるようになりたいと考えています。そして顧客の不安や悩みに寄り添い、安心感を与えられる存在になることが私の目標です。
後輩へのメッセージ
将来の職業生活に悩むことは当然です。だからこそ、早いうちからさまざまな企業を見て、自分の興味や適性に合った仕事を見つけてほしいと思います。心の余裕を持つために、早期選考にも積極的にチャレンジしてみてください。