FPとして一人ひとりの人生に寄り添いたい

経済学部 渡部晴大さん(ノースアジア大学明桜高等学校出身)
全国共済農業協同組合連合会秋田県本部(JA共済連秋田)

オーガニックカフェから始まった、金融への道

金融業界に関心を持ち始めたのは、大学生になって始めたオーガニックカフェでのアルバイトがきっかけです。厳選された素材で丁寧に作られた料理を提供し、お客様の心に温もりを届けたいというお店の想いに共感する一方で、オーガニックにこだわる経営は厳しいものでした。資金調達に苦労する中で、結果的にどんなに素晴らしい商品やサービスであっても、運営には資本が必要不可欠だということを痛感しました。

そうしてカフェの経営に係るうちに、資金を融資してくれる銀行や万が一の時に頼りになる共済といった存在に強い関心を抱くようになりました。やがて、自分自身もそのような立場から人々の生活を支えたいという目標を持つようになったのです。

ファイナンシャルプランナーへの挑戦

大学2年生の頃は、将来への道が全く見当もつきませんでした。しかし、教員から資格取得を勧められたことをきっかけに「せめて何か一つ、自分の武器になるものを」とファイナンシャルプランナー(FP)資格への挑戦を決意しました。
それまで勉強する習慣はなかったため最初は戸惑いましたが「一日少しでも勉強する」という目標を立て、徐々に自習時間を増やしていきました。YouTubeで効率的な学習方法を模索しながら、試験前の1ヶ月は1日7時間と猛勉強の日々を送った結果、半年でFP3級、その3ヶ月後にFP2級を取得することができました。
高校まで続けたサッカーで培った根性と強い意志が短期間での資格取得を支え、自分に新たな可能性を開花させてくれたと感じています。

サッカーにひたむきだった高校時代

インターンシップで温かい社風に触れて

3年生の夏、JA共済のインターンシップに参加しました。ボードゲームを通して、子育て世帯や農村地区の人など様々な人のために最適な共済を選ぶというシミュレーションを体験し、共済の大切さを実感しました。民間でありながら非営利という社会貢献を第一に考える企業理念に深く共感し、このとき自身もJA共済で社会に貢献したいという想いを強くしました。

インターンシップで企業理解を深める

死生観の研究から生まれた顧客理解

現在は所属している人間科学ゼミで日本とキリスト教国の死生観の違いについて卒論研究を進めています。キリスト教では、自殺は神への冒涜とされ厳しく禁じられていることが多いですが、日本人の死生観は宗教的な束縛が比較的少なく、個人が自由に死生観を形成できる傾向にあります。特に苦しい状況に追い込まれた際、自殺を選択する可能性も宗教観の違いによって大きく変わってくるのではないでしょうか。

この研究から学んだ多様な価値観への理解を、これからの顧客対応の場で生かしていきたいと考えています。例えば、宗教観や文化背景の異なる顧客に対して共感し、それぞれの価値観に寄り添ったサービスを提供できるようになりたいです。また、終活支援の場面においても相続や終末期医療などに関する個々の考え方を尊重し、よりパーソナルなサポートで人々の安心感に繋げたいと考えています。

人間科学ゼミで「いのち」と経済との関連を学ぶ

後輩へのメッセージ

金融業界を目指す皆さん。インターンシップは企業の風土や業務内容を実際に体感できる貴重な機会です。積極的に参加し、自分の目で確かめることをおすすめします。また、FP資格は金融業界で活躍するための強力な武器となります。さらに、簿記の知識を併せ持つことでより深い理解へとつながるでしょう。時間のあるうちに両資格の取得を目指してみてはどうでしょうか。
金融業界は日々変化が激しいので常に学び続ける姿勢が欠かせません。皆さんと共にこの業界で活躍できるのを楽しみにしています。

後輩の皆さん、金融業界で一緒に頑張りましょう!