スポーツマンシップが支えた宅建合格への道

法学部法律学科3年 庄司伊吹さん(ノースアジア大学明桜高等学校出身)
宅地建物取引士

理想の住まいへの憧れが、宅建士を目指すきっかけに

宅地建物取引士を目指したきっかけは、不便な自宅の環境でした。借家の限られた空間に家族と寝泊りする生活の中で、いずれは理想の住まいを設計する建築士になりたいと思っていました。そこで教員に相談したところ、不動産取引の専門家である宅地建物取引士という資格に出会いました。建築物を取り扱うだけでなく、借りる側の権利を守るという社会貢献にもつながる仕事だと知り、強く惹かれたのです。

大学1年生:マンツーマン指導で宅建対策に取り掛かる

1年目は授業とアルバイトで忙しく、週に2時間ほどの勉強時間しか確保できませんでした。しかし、合間を縫って所属している国家試験等センターで、週に1回マンツーマン指導を受けながら宅建の対策に取り掛かりました。中でも借地借家法には深く興味を持ちました。「更新拒絶」の条項を学んだ際、借りている人が突然家から追い出される可能性があることを知り衝撃を受けました。何の落ち度もなく、ただ単に契約期間が満了したという理由で住み慣れた家を突然追い出される可能性があるのです。「なぜこんなことが起こるのか?」「どうすれば借りる人が安心して暮らせるか?」そんな疑問が次々と湧き上がり、勉強にのめり込んでいきました。

教員の研究室でマンツーマン指導を受ける

大学2年生:民法ゼミでの学びと成長

2年生になり、アルバイトで貯めた資金で自動車学校に通いながら宅建対策の勉強を続けました。日々の授業を通して基礎知識を固めたことで、一人でも問題が解けるようになってきていました。その中でも民法の授業を通じて飛躍的に知識の幅を広げることができました。

特に印象に残っているのは、民法ゼミで発表した二重登記というテーマです。一つの不動産に複数の所有者が登録されているという、ありえないはずの状況が実際に起こりうることを知り深く掘り下げて研究しました。

この経験を通して、不動産取引とは単なる事務的な手続きではなく、人々の生活や財産に直結する重要な仕事だと感じたのです。宅建試験に合格し、この知識を活かして人々の住まいを守りたいという気持ちがこのとき一層強まりました。

 

大学3年生:1日10時間の猛勉強で宅建合格

大学3年の8月上旬、試験まで残り2ヶ月となったとき試験勉強へのラストスパートをかけました。
朝食後は毎日自宅から国家試験等センターへ直行し、夜遅くまで机に向かい、1日10時間を超える猛勉強の日々を送りました。食事回数を減らし、眠くなったら仮眠をとるなど、睡眠時間を確保しながらも学習を進めました。SNSは遮断し、友人の誘いは一切断り、ただひたすら問題を解き続けました。
後期が始まってからは授業の空き時間は図書館や国家試験等センターで勉強し、帰宅後や休日は自宅近くの町内会館を自習に活用しました。

過去問を何度も繰り返し、直前予想模試も実践しました。民法ゼミで学んだ知識が問題を解く上で大きな力となりました。二重登記に関する問題で、複雑な登記の仕組みを一つ一つ解き明かしていく過程は、まるでパズルを解くように充実感がありました。

試験では予想外の難問も出題されましたが、合格通知が届いたときは安堵感と同時に、これまでの努力が実を結んだという達成感に包まれました。

試験前は余計なSNSアプリを削除し、勉強に集中した

スポーツマンシップが支えた挑戦

宅建試験への挑戦は私にとって大きな成長の機会となりました。小中高と運動部に所属し培ってきた集中力や体力、そして目標に向かって努力し続ける精神が試験合格に繋がったと感じています。

小学・中学時代のサッカーで培った瞬発的な判断力は、限られた時間内に最善の答えを選ぶ上で非常に役立ちました。また、高校時代に長距離選手として鍛えた体力は長時間勉強を続けるための土台となり、睡眠時間を確保しながらも効率的に学習を進めることを可能にしました。

この経験は、これからの生活でどんな困難に立ち向かうことができるという自信にもつながりました。将来は宅建で得た知識を活かし、地域の住環境の改善に貢献したいと考えています。

合格したときに、教員の笑顔を見て一層嬉しくなったと語る

後輩へのメッセージ

宅建試験は年々難易度が上がってきており、過去問を解くだけでは合格は難しいので、教科書をしっかりと読み込み民法の基礎知識を固めるよう心掛けてください。私にとって「直前予想模試」はとても役に立ちました。焦らず一つひとつ着実に積み重ねていけば、必ず合格できます。
辛い時もあると思いますが、諦めずに頑張ってください!