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本学学生がファウストボール日本代表に選出

バレーボールの前身であり、世界最古のスポーツの一つとされる「ファウストボール」の日本代表として、本学の鈴木太陽さん(経済学部4年)が選ばれました。秋田県から日本代表が選出されるのは実に11年ぶりとなり、10月22日よりオーストラリアのジーロングで開催される『2022 アジア・パシフィックファウストボール選手権大会』に挑みます。

明桜高校時代はバレーボール部でエーススパイカーを務めていた鈴木さん。ファウストボール界で活躍するようになるまでの経緯や、今後の目標などについて伺いました。

ファウストボールを始めたきっかけは
日本代表への道が一番近いスポーツだったことです。
小中学校ではバスケットに打ち込み、高校ではバレー部でスパイカーを務めた経験から、自分のポテンシャルを確信していました。高校時代にファウストボールの存在を知り、秋田と東京で練習が行われていることを知ったものの、当時は部活動が忙しくて始めるきっかけが掴めませんでした。そこでノースアジア大学への進学を機にファウストボールをはじめ、現在は大学のバレー部活動と並行しながら、ファウストボールの鍛錬に励んでいます。

—バレーボールに似た競技と伺いました。ファウストボールとの違いは何でしょうか
ファウストボールでは片手しか使えません。バレーボールと異なり、ワンバウンドが許されており、競技名の通り(ファウスト=独語の拳)拳でスパイクします。そしてバレーボールより大きなコートで戦います。9m x 18m のコートで1チーム6名で行われるバレーボールに対し、ファウストボールは 20m x 50m という6倍以上のコートで5名が打ち合うので、とても大きく動きます。また、ネットの高さがバレーボールより40㎝ほど低く設置されているので、バレーボールは上下の動きが主なのに対し、ファウストボールは横の動きが主軸となる点も特徴です。

—練習スケジュールについて教えてください
平日はバレー部で活動し、オフの日は筋トレや走り込みをしています。とにかく動く競技なので、走ることは大事です。週1回さくら小学校で行われているファウストボールの練習会に参加し、月1回のペースで東京の練習会に参加しています。

—東京での練習の大きな違いは何ですか
秋田で練習する時は、基本的に自分のスパイカーとしての技術向上のための内容が中心です。
しかし、東京に行くと、チームとして勝利を手にするためのプレー力が求められてきます。秋田にいるときとは違い、各プレイヤーが「ここでこんな風にここに打って欲しい」と言うように、要求を直接的な言葉で伝えてきます。チームにポジティブな雰囲気を作ることが大切なので、言葉を掛け合うことでお互いの理解を深め、良いプレーに繋がっていると感じます。
ただ、人数が多いので、秋田のように丁寧に指導者から教えてもらえることはありません。指導者との距離の近さは、秋田でファウストボールを練習できる大きなメリットです。

—屋外で練習されるのでしょうか
本来は屋外で行われる競技で、サッカーのように芝の上でスパイクを履いて行います。秋田では体育館で練習しているのですが、東京では数多くのプレイヤーが芝生コートに集い練習します。お笑い芸人で元ファウストボール世界選手権日本代表のティモンディ高岸さんともお会いしましたが、彼のプレーはとにかく凄まじかったですね。

—海外の選手と勝負した経験はありますか
今大会が初めてです。オーストラリア・ニュージーランド・インドの選手と対戦しますが、あちらは腕が太ももサイズの豪腕選手もいるので、パワフルなプレーが予想されます。自分は入学した当時178cmの63kgと細身だったので、とにかく食べて68kgまで増やしたのですが、もう少し増えてもいいかなと思っています。本場である海外の試合では臨場感に期待しています。

—今後の目標は
ファウストボールを始めたときから世界の舞台で戦うことを夢みて練習してきました。今大会で日本代表を達成した今、次の目標は来年の世界選手権大会出場です。

8月に行われた日本代表選考会において、優れた身体能力を発揮したことでファウストボール日本代表として選出された鈴木さん。様々な国の選手と交流しながら、伸び伸びと思い切りプレーしてくることを期待しています!

※ファウストボールとは
ドイツ発祥のスポーツで、バレーボールの原型と言われている。片手の腕か拳でボールを打つ。2つのチームがバレーボールのようにネットを挟んで対面するゲーム形式で、各チームは5人の選手で構成される。ワンバウンドが許され、3回以内に相手コートに返さなくてはならない。2001年に秋田で開催されたワールドゲームズで国内で初めて開催されて以降、秋田県にもファウストボール協会が設けられた。