故郷石巻で、市民の笑顔を咲かせたい

経済学部経済学科 青柳翔也さん(宮城県石巻高等学校出身)
石巻市役所

被災地で生まれた、地域貢献への想い

小学2年生だった2011年、宮城県石巻市で東日本大震災に遭遇しました。津波にのみ込まれた祖父の家は流され、大切な同級生を亡くすという経験は心に深い傷跡を刻みつけました。
石巻のために貢献したいという気持ちは人一倍強く、高校時代から公務員を志望していたため、試験対策に定評のあるノースアジア大学へ進学しました。

水道事業に学ぶ地域の課題

大学では特にミクロ・マクロ経済学に深く興味を持ち、市場の動きや企業の戦略について研究しました。中でも印象に残っているのは、ゼミで水道事業の民営化と国営化を比較したときの調査結果です。

宮城県では上水道を民営化することでインフラ更新を目指しましたが、住民からは料金上昇や水質への不安の声も上がりました。水道は人々のくらしに深く関わるため、経済効率だけでなく住民の安全や地域の持続可能性も考慮した政策が必要です。この研究により、地域社会の課題解決には多角的な視点が不可欠であることを学びました。

ゼミで地域問題の解決について考える

懸命な努力で夢を叶える

3年生の後期から公務員試験対策に本腰をいれました。大学から貸与された国家試験等センターの机で、朝9時から夜7時半まで休日も返上して猛勉強しました。特に苦手意識のあった法律科目は、マンツーマン指導を受けながら着実に克服していきました。その結果筆記試験を無事通過し、石巻市役所の最終面接では市政に対する自分の考えをはっきりと述べることができました。

命の尊さを心に留め、共生のまちづくりを目指す

震災から13年経った今も、命を落とした同級生は8歳から成長することなく、自分の心の中に存在し続けています。石巻市役所職員として被災地の記憶を風化させず、より安全で豊かなまちをつくることこそが使命だと考えています。故郷が活力あふれるまちとして生まれ変わるよう、防災意識の向上に尽力し、市民と共に未来を築いていくことが目標です。

亡き友人の通った石巻市立大川小学校。東日本大震災で津波により児童74人が死亡、行方不明となった

後輩へのメッセージ

公務員試験合格を目指して日々努力されている皆さん。ぜひ、具体的な将来の自分の姿をイメージしてみてください。どんな職に就き、どのように社会に貢献したいのか、ビジョンを明確にすることで試験へのモチベーションも高まると思います。皆さんの熱い想いが、より良い社会の実現へと繋がると信じています。

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