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【経済学部】学部内研究発表大会を開催 ― 学生が社会課題に向き合う ―

本学経済学部では、1月21日、学部内研究発表大会を開催しました。本発表会は、各ゼミに所属する学生が、日頃のゼミ活動を通じて取り組んできた研究成果を発表する場として毎年実施されているものです。

発表会では、地域社会や現代日本が直面する課題をテーマに、データの整理や調査結果をもとにした分析、課題解決に向けた提言が行われました。学生たちは、それぞれの関心に基づき、身近な問題を社会全体の課題として捉え直し、工夫を凝らした発表を行いました。

今年度は、動物福祉、食料問題、地域の安全といった、身近でありながら社会的に重要なテーマが多く取り上げられました。いずれの発表も高い問題意識に支えられ、データ分析や調査結果を踏まえた説得力のある内容となっていました。

審査の結果、以下の3つの発表が上位に選ばれました。

 

◆ 第1位

『秋田県での犬の殺処分数削減を目指して』
(池田結翔さん・小野すみれさん)

本発表では、秋田県における犬の殺処分数の推移を整理し、その背景にある要因をデータと現地調査を通じて分析しました。行政資料を用いた定量的な分析に加え、動物愛護センターへの施設訪問や県民アンケート調査を実施し、殺処分の主な要因が「飼い主の認識不足・準備不足」や「収容施設の限界」にあることを明らかにしました。

さらに、国内外の先進事例を踏まえ、飼育前教育の充実や飼い主責任を明確化する条例案を提示するなど、実効性のある政策提言まで踏み込んだ点が高く評価されました。殺処分問題を「犬の問題」ではなく「人と制度の問題」と捉え直した視点が評価され、見事優勝に輝きました。

 

◆ 第2位

『フードロス問題とその取り組みについて― 日本のフードロス問題を探る ―』
(栄喜裕太さん・平場誠也さん・水野寛大さん)

本発表では、日本におけるフードロスの現状を多角的に整理し、その発生要因や地域差についてデータに基づく分析を行いました。食品ロスと食品廃棄物の概念を明確に区別した上で、国全体の発生量を具体的な数値で示し、問題の規模と深刻さを分かりやすく提示しました。

また、都道府県別データの分析から、日本海側では廃棄量が比較的少ない一方、太平洋側や大都市圏で多い傾向が見られることを明らかにしました。その背景として、人口規模や流通構造、寒冷地という地域特性、地産地消の仕組みなどに着目し、地域差が生じる要因について考察しました。

さらに、企業や自治体によるフードロス削減の具体的な取り組み事例を紹介し、行政・企業・消費者がそれぞれの立場で行動することの重要性を指摘しました。実証的な分析と具体例を組み合わせた実践的な提言が評価され、第2位となりました。

 

◆ 第3位

『くま ― 駆除か共生か? ―』
(根本大斗さん・武蔵大鷹さん・本庄陽翔さん)

本発表では、近年深刻化しているクマによる人身被害や農業被害を題材に、「駆除」と「共生」という対立する選択肢をどのように判断すべきかを分析しました。被害増加の背景として、堅果類の凶作、クマの個体数増加、農村部の過疎化、狩猟者の減少など複数の要因を整理した上で、AHP(階層分析法)を用いて多基準による意思決定を行いました。

安全性、農業、観光、経費といった評価基準を設定し、それぞれの重要度を数値化した結果、現状では「駆除」が最も高い評価となる一方で、「共生」も経費面などで一定の合理性を持つ選択肢であることが示されました。さらに、AIやドローンなど将来的な技術進歩も視野に入れ、今後は状況に応じた柔軟な政策判断が必要であると結論づけました。難しい社会的判断を論理的に整理した点が評価され、第3位となりました。

 

今回のゼミナール発表会は、学生たちが日頃の学びをもとに実社会の課題と向き合い、自ら考え、分析し、提言する貴重な機会となりました。

 学部内研究発表大会で第1位に輝いた池田結翔さん・小野すみれさん

学部内研究発表大会で第1位に輝いた池田結翔さん・小野すみれさん