平成30年度 ノースアジア大学・秋田栄養短期大学 入学式 学長告辞

平成30年4月2日(月)


ようやく、春らしい日差しが感じられるようになってまいりました。
  このよき日に本学に入学した諸君に、大学を代表し、歓迎をいたしたいと思います。ご参列されています皆様にも、心からお喜びを申し上げる次第です。

皆さんはこの4月から、本学の学生として勉強をすることになります。
私はここで皆さんに、どのように大学での勉強をしたらよいか、ということを少しお話ししてみたいと思っています。

「知は力なり」ということがよく言われます。知っているか、知らないかということが、非常に大きな違いになってくる。それが人生を変えてしまうこともあるんです。
 例えば、「脚気」という病気がありますね。ビタミンの中のB1が欠乏し、歩けなくなってしまう。そして、最後は死に至ることもあるという大変な病気です。玄米から白米の時代になった元禄時代から、第二次世界大戦頃までの間に、たくさんの人が脚気で亡くなりました。 第一次世界大戦のときには、脚気で死んだ人の方が、戦死した人より数が多かったということが言われています。 ビタミンB1のない、白米や白パン、精白してあるデンプンだけを食べていると、脚気になるわけです。麦飯を食べたり、玄米を食べている人たちは、脚気にならなかったんです。
 ところが、このことを知らなかった医学の世界では、何百年にもわたって、病原菌による病気であるといって、その治療が行われていたんです。これは、ミトコンドリアがビタミンB1という、補酵素を使って、糖を低温燃焼させる、エネルギーを作るという、体の仕組みを知らなかったからなんです。こういうような無知によって、たくさんの人々が亡くなっていったのです。
  壊血病という病気があります。これも同じです。ビタミンCの欠乏で、血管細胞をつなぐコラーゲンができなくなり、体中から出血し、最後は、脳も出血して、死亡するという大変恐ろしい病気です。 この病気も、かつては、病原菌による病気だとされていました。そして、長い間、医者たちは病原菌対策の治療を行ってきたのです。無知だったからですね。食生活に気をつけている人たちは、決してならない病気だと思います。
 このように、知っているか知らないかということは、その人の人生を決定的ならしめてしまう。こんなことがたくさんあるんです。ですから、皆さんは、しっかり勉強をしていただきたいと思うのです。
 大学では、自然科学から人文科学、社会科学まで、たくさんの講義を用意しております。学部・学科の枠を越えて、単位を履修することも可能となっていますので、ぜひ講義をしっかりと聞いていただきたいのです。

勉強をする人は、自分の人生が開けてきます。法学部で法律をしっかり学んだ人は、弁護士や裁判官などになる司法試験の予備試験、本試験も合格することができる。国連に勤めることもできる。国や自治体の公務員になることもできます。また、会社に行っても、法的素養は大変大切なことです。皆さんは、しっかり勉強して、会社を、そして日本を、背負って立つような人材になってほしいんです。
  経済学部でも同じです。法律が、物事の仕組み、骨組みを作っているとすれば、経済は、その中身です。世界は経済によって、動いている。だから、本物の経済学を、生きた経済学を勉強する。このような勉強をした人たちが、日本、世界の経済をリードする、そういう指導者になる、あるいは公務員としても、活躍することもできるんです。
  栄養学でもそうです。病気と栄養の問題は、今世紀最大のテーマです。食品添加物の問題、生活習慣病の問題、先端医療でも治らないような難病の治療、食文化や食習慣、によって生じているのではないかということが、散々言われてきております。
  そういうことを、学んでもらいたい。

皆さんは本当の意味で勉強をしたことがあるでしょうか。先生が教えてくれたこと、教科書を読んで分からないところ、そういうところを調べる、考える。私自身もそうでした。分からないことばかりでした。勉強していたときに、本を読んで疑問と思ったことを、歩きながらでも考える。お風呂にいるときも、トイレにいっても、夜寝るときも考えてみる。そして、それが分かったとき、なぜそうなるかという理由や仕組みが分かったときに、本当にうれしく思ったことが何度もあります。
 そして、勉強がだんだん面白く、好きになっていきます。勉強が好きになるとどうでしょうか。当然のことながら勉強が出来るようになってくる。未来が開かれます。自分自身に自信がつきます。

私たちは、いつもいろいろな課題と共に生きています。目の前にある課題というのは、学生にとってみれば、それは勉強であり、学問です。就職すれば仕事です。今、その目の前のものから決して逃げないで、問題点、疑問点を考えてみる。それが分かったときの喜びは大きいんです。それだけではないんです。自信が沸いてきます。眼の前のものから逃げずに頑張った、何でも出来るという自信、それが出てくる。学んだことの本当の意味が分かったときの感動、これが非常に大事です。
 堀川高校という無名の高校が、京都で最も優れた高校になっていく、その過程で、女子生徒がインタビューに答えています。総合科目という科目があって、彼女は一年間その中で、自分がテーマとして考えた一つの問題や疑問を研究し、考え続けたんです。そして、そのことの本当の意味が、やがて分かってきた。一年間でです。本に書かれていることの理由も分かってきた。そうしたときに、彼女はそのインタビューで、勉強というのは非常に大変だけれども、面白い、やりがいがある、うれしかったということを述べていました。彼女は今まで勉強が嫌いだったのですが、ぜひ京都大学に入って、将来は学者としてその分野でやっていきたいというようなことを話していました。

会社や役所に行けば、今までやったことがないような、いろいろな仕事をしなければなりません。ときには、前例がない。そういうときにどうしますか。その仕事から逃げますか?早く夕方になって帰ることを考えますか?なるべく仕事をしたくない、早く土曜、日曜日になれと考えますか?それでは人生は不幸です。失敗の人生です。そうならないためにも、今、大学の、この若い非常に大事な時期に、目の前にある困難、学問、勉強からげないように訓練する。なぜそうなるかを考えてみる、研究するという姿勢を持って、勉強に取り組んでもらいたいと思うんです。
  そして、あなた方が、今までやったことはなかったけれど、やってみて勉強が非常に面白いということが分かった、そういうことがいえるように、幸せな気持ちで、大学の学問を終えることが出来るように、私は祈っております。

それから、スマホの問題を話します。今、スマホの人体への影響が問題となっています。
  スマホの電磁波は、電子レンジの電磁波と一緒です。もっと波長が短くなれば、原爆の放射線と一緒になります。長時間スマホを使うと、視力が低下し、難聴にもなる。そして、脳細胞も大きな影響を受けます。脳細胞が死滅する、脳神経がやられるという問題が起きているんです。大きな病院に行くと、スマホ外来というものができています。厚生労働省の基準で、今はスマホ症候群に対し、健康保険がきくようにさえなっているんです。これは大変恐ろしいことです。
  高校生で、女子が平均で3時間50分、男子が2時間50分もの時間を、1日に、スマホに使っているという統計が出ています。スマホを長時間使い続けると、だんだん精神がやられてしまいます。体が疲労するだけでなく、何もやる気がなくなってしまう。ですから皆さんは、スマホを出来る限り使わないようにして、しっかりと勉強する。大学時代は、たくさんの本を読む。特に、何世紀もの間、たくさんの人たちが読んできた、名著というものがあります。そういうものを読んで、これから人生をどう生きていくかということをぜひ考えてもらいたいと思います。

4年後、そして、短大では2年後に、諸君が立派に成長し、それぞれ志望の分野に飛び立っていく、そういう日が来ることを期待しております。
 本席に参列されているご来賓の方々、そしてまた、ご父母の皆様にも、この場を借りて重ねて御礼を申し上げ、本日の告辞といたしたいと思います。



学長 小泉 健




大学topページへ

栄養短大topページへ

法人topページへ